王子様はご主人様!?
「はい。」
鳴った携帯は輝くんのだったみたい…
よかった、あたしのじゃなくて……
「あぁ―…なんだ、蒼依か。」
蒼依って…田辺蒼依?
確か、輝くんと仲がいいんだよね?
チャラい蒼依くんと真面目な輝くんじゃ、珍しい組み合わせだと前から思っていた
「あぁ―…、もう間に合わねぇよ。綾香にも帰ってから謝る」
綾香……?
「はぁ―…マジダリぃんだよ。生徒会長なんてやってられっかよっ」
――ガタッ
「……誰」
「あっ……」
つい、ドアに手が当たって音が鳴った
――ガラッ
「なんだ。宮澤さんか。」
ドアが開き、優しい笑顔の輝くんがあたしを見ていた