王子様はご主人様!?
わざと花梨の近くを通って、自分の席に向かう
「あの時さ、ちょっと覗きがいて。」
「はあ…?覗き?」
――ビクッ
花梨にも聞こえたのか、体がまた跳ねた
「そっ。だから悪かった。」
「いや、別にいいんだけどさ―…」
席につき、カバンを置いてもう一度花梨を見ると、すかさず顔を反らした
なんか反抗期のペットみてぇ―…
「おはよ―っ。輝くんっ」
「おはよ。」
また来たか……
うるさい女子軍団……
マジ香水控えろって―の。
「あれ?どうちゃったの!?その頬」
やっぱり目立つか?これ。
「ちょっとペットに引っ掛かれちゃって。」
頬を触りながら、チラッと花梨を見ると、バッチリ会った視線
「えっ?輝くんペット飼ってるの?」
「うん。やんちゃな猫をね。」
「へぇ〜そうなんだ。」
うつ向いて視線を反らす花梨
「でもやんちゃなんて大変だね―」
周りの女子軍団が同意したように、ウンウンと頷く
「まぁね。でも、凄く可愛いよ。」
苛めたくなるくらい……