王子様はご主人様!?
「おいっ!いい加減にしろよっ!!」
――グイッ
おもいっきり肩を掴み、無理やり振り向かせた
「えっ……」
目を疑った……
「なんで泣きそうになってんだよ……」
振り向かせた花梨の瞳には溢れ出しそうなほどに、雫がたまっていた
「っ…あ、あんたにとっては別になんともないかも知れないけど……」
ヒクッと喉を鳴らして、必死に涙を我慢する
「だっ…だけど……」
――ギュッ
「……へ」
「……悪かった」
花梨を包むように、抱きしめた
「っ……」
「酷いこと言ってごめん……」
ただ抱きしめながら謝った
「あ、あたしこそ、1人で怒って…ごめん…ね?」
「っっ///」
バッと花梨を引き離した
「輝……?」
は、反則だろ……!
突然あんなに素直になるなんて……
「輝…?どうかしたの……?」
「な、何でもねぇ―よっ!」
顔を覗こうとする花梨から逃げるように、瞳を伏せた
「ほら。帰るぞ。」
「え?」
「家まで送る……」