王子様はご主人様!?
「う…うん……」
ほんと、どうしたんだよ……
素直になりすぎ……
調子狂うだろ……
イヤ…調子がおかしいのは俺か……?
こんな女1人に心を乱されるなんて……
バッグを手に持ち、生徒会室を出る
「あっ、ねぇっ!!」
ギュッと袖を握ってくる花梨
「あ?」
「こ、これ。」
差し出されたのは…タオル……?
「汗、拭いてないじゃん。ってかバスケの練習するなら、体育着でしなよ。」
視線を反らしながら、そう言った
「あ、あぁ―…サンキュ。」
素直に花梨からタオルを受け取った
「べ…別にっ!会長に風邪ひかれたら困るって思っただけで……ただそれだけっ!」
頬を赤らめプイッと顔を背ける
そんな花梨を見て、つい笑みがこぼれながら花梨の家に向かう
花梨の家は桜川学園から近い高級住宅街
洋風の建築様式。
とにかく一目で金持ちだってわかる。
まぁ、当たり前か……
宮澤財閥の令嬢だしな……