王子様はご主人様!?
「じゃあ、ここで…」
「あ、あぁ―…」
な、なんだこの感じ……
胸がくすぐったいような、不思議な感覚……
花梨が玄関に向かい、ドアに手をかけた
っ………
「花り「花梨―っ」
俺の声を遮るようにして、家の中から呼ばれた花梨の名前
そんな声より、自分にビックリした
俺は…花梨を呼び止めてどうする気だったんだ?
何を言おうと…してたんだ…?
「あら?そちらは?」
玄関からヒョコッと顔を出した女の人
クリッとした瞳で、とても可愛らしい人。
花梨にそっくりだ。
お姉さん…か……?
とにかく今は挨拶をしとかなくちゃな。
「初めまして。井之上輝です。」
優しく微笑む女の人に、頭を下げた