王子様はご主人様!?


「なんかごめんね。」



「いや。別に……」



リビングに入ってすぐに、花梨が謝ってきた



「全く…。一体お母さんも何を考えてんだか……」



は……?



「お母さん……?」



「うん。あたしの母親。それがどうかした?」



「イヤ。お姉さんかと…」



母親ってマジかよ……



「あらっ♪なんか嬉しい言葉がっ」



エプロンを着けた花梨の母親が、ウキウキしたように小走りで来た


「お姉さんなんて、花梨どうしましょ―っ♪」



キャッキャッ騒いでいる花梨の母さんに対して、冷めたように「はいはい。」と返す花梨




似てるのか似てないのか……



「ただいま―。」



「あら。彗が帰ってきたわ。」



彗……?



パタパタと玄関に走っていく花梨の母さん



「あれ?お客さん?」



しばらくして、リビングのドアが開き1人の男の人が立っていた



「お邪魔してます。」



座っていたソファーから立ち上がり、頭を下げた



「花梨の友達よ」



そう言いながら、花梨の母さんがスーツを受けとる


やべぇ〜〜



普通にカッコいい……




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