王子様はご主人様!?
「はぁ―…わかった。わかったから、そんな顔するな……」
「え……?」
「ほら、行くぞ」
そう言ってあたしの腕を握る輝に、あたしはただ頷いた
―――――――――……
「捻挫ね…。とにかく今はテーピングしとくけど、ちゃんと病院に行きなさい。」
「はい…」
「それから、くれぐれも激しい運動はしちゃダメよ。」
30代の優しそうな保健の先生がそう言った
「じゃあ、悪いけどちょっと職員室に呼ばれてるから。」
と言って、保健室から出ていった
「…………」
「…………」
「ほらな。大丈夫だったろ?」
椅子に座りながら、うつ向いているあたしにそう問いかけた
「なにが、大丈夫よ…」
捻挫って…病院に行けって言われたのに……
「大丈夫だから、もうそんな顔やめろ…」
……え
「でも心配してくれてありがとな。」
あ…、あたしそんなに心配そうな顔してたんだ……