王子様はご主人様!?


そのまま、体育館に向かった



「おい!輝っ!お前どこ行ってたんだよ!」



「蒼依。悪ぃ―。ちょっとな。」



「もう試合始まるぞ」


「あぁ。」



バスケットシューズを履きながら答える輝



「じゃあ、行ってくるな」



そう言う輝に何も言えなかった


「優勝するから、覚悟しとけよ」



「っ…!!」



もうコートに向かっている輝の背中を見つめた



本当にバカ……



誰にもバレないように、テーピングをしている足を隠して長ジャージを着ている

痛いのに……



平然とした顔で、足を引きずることもなく、歩いていく




「あっ!花梨見っけ!」



「……唯。」



手を振りながら走り寄ってくる唯



「も―う!どこ行ってたのよっ!バレーも見に来てなかったし!!」



「あっ…ごめん。」



「まぁ、いいよ。惨敗したとこ見られなくてよかったし。」



「………ん。」



「……花梨?どうしたの?」



「えっ……」



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