王子様はご主人様!?
――ピーッ
「あっ!始まるよっ!」
唯があたしのジャージの袖を引っ張る
「ではこれより、3―C対2―Aによる決勝戦を行う!」
観客がざわつくと同時に試合も開始された
「3―Cファイト―!!」
「輝先輩―っ!頑張って―っ!!」
周りの生徒から巻き起こる応援
そんな周りに比べ、ただギュッと手を握りしめながらコートを見つめた
何分ここに立っていたんだろう…
ただ言えることは、コートから一瞬も目を離せなかったということ……
長くもあり、短くも感じる時間…
「あと3分か……」
ボソッと唯が呟く
あと3分……
点数差は2点でこっちが負けている
「頑張って―っ!」
周りの歓声もヒートアップしてくる
……輝
――ピピーッ
「キャァァぁ!!輝先輩っ!」
鳴り響くホイッスルと、さっきとは明らかに違う悲鳴のような生徒の声
ハッとしてコートを見ると、足を抱えて座り込んでいる輝の姿が…
「輝っ!!」