王子様はご主人様!?


「輝っ!!」



蒼依くんのパスが綺麗なフォームを描きながら、輝に届いた



それを受け取り、ドリブルで走り出す輝



痛めたはずの足を必死に動かし、攻めていく



残り20秒……



輝……


輝………




「輝っ!頑張ってっ!!」





気づいたら大声でそう叫んでいた


「っ…」


輝の投げたボールが高く上がった……



そして……



――ピーピーッ



「っ……キャァァ―っ!!」


悲鳴と歓声が入り交じって体育館に響いた



「……勝っ…た」



「うんっ!勝ったよっ!!うちのクラスが勝ったんだよっ!!」



ボー然としてるあたしの手を握って、ぴょんぴょんと唯が跳ねる



輝が投げたボールは綺麗にゴールに入った……



「きゃぁ―っ!輝くんっ!」

「輝先輩っ―!」




勝った……



うちのクラスが―…輝が…勝った……



なぜかわからないけど、瞳が揺らぐ



「っ……」



目元を押さえ、うつ向いた




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