王子様はご主人様!?
感情のコントロール-輝Side-
『輝っ!頑張ってっ!!』
俺は何のためにここまで頑張ってんだろ……?
足を痛めて、無様にそのせいで転けて……
でもそんな考えは、たった一言…あいつの声を聴いて消えた
「頑張って!」と叫ぶように聞こえた声
たくさんの歓声の中でも、その声だけは鮮明に聞こえた……
あぁ―…これが理由でいいかもな……
俺はあいつにカッコ悪いところを見せたくなかった……
なぜだかわからないけど…、あいつにカッコいいって思って欲しかったんだ……
王子様みたいに完璧にこなしてる俺じゃなくて、俺自信をカッコいいって思って欲しかったんだ……
「っ……」
声が聞こえたと同時に、俺は最後の力を振り絞ってボールを投げた
そして……
――ピーピーッ
「っ……キャァァ―っ!!」
俺の投げたボールは円を描いて、シュートされた
勝っ…た………
「輝っ!」
「うおっ!!」
飛び付いてきた蒼依。
「すげぇ―よっ!俺ら優勝っ!!」
そっか……
勝ったのか………
あぁ―…、本当によかった……