王子様はご主人様!?



―――――――――――……


「で?お前はそれから何も言わずに帰ったのか…?」


「あ…あぁ―…」



「お前…バカ?」



ゔっ……


朝から貶されている俺……



昨日、体育館から花梨を連れ出した俺はもちろん周りからの注目的だった



周りの奴らを追い払うのは簡単だったが、さすがに蒼依には嘘も通じず全て洗いざらい吐かされた



「つ―か、花梨も何も言わなかったのか?」



「あぁ―…」



あの後、ただ黙っている花梨を家に送り届けた



その間も無言……



キスのことについても何も言わなかったし、まず話しすらしなかった。


「で?結局お前は花梨のことどう思ってるわけ?」



机に肘をつきながら、そう聞いてくる。


どうって……


「……正直わかんねぇ―…」


あの時は考えるより先に体が動いていた




なんか泣いてる花梨を見たら、不思議と距離を縮めたくなった……



「でもさ、少なくとも花梨は特別なんだろ?」



特別……?



「あぁ、そうだな。」



でもそれは何の特別かがわからない……



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