王子様はご主人様!?


「お前さ、難しく考えすぎなんだよ。思ったまま、行動してみろよ。」



思ったまま……



でもそれは……


「お前のその行動をストップさせてるのって、やっぱり綾香ちゃんがいるからか…?」


「っ……」


真剣な表情で蒼依が見てくる



確かに、思うままに行動して綾香を不安にさせるのは嫌だ……



でもそれ以上に……



「戸惑ってんだ……」



「は?」



「今まで、女なんて見た目だけの俺しか見てなかったのに…」



なのにあいつは……



「王子様じゃない、俺のために泣いたんだ……」



バカみたいにポロポロ瞳から涙を溢れさして……



そんな花梨を見てしまったから、この意味のわからない感情に戸惑いを隠せない……



「ほんと、お前って難しい性格してるわ―」



少なくともこのセリフは俺のことを誉めてはいないだろうな……



「俺なら気に入ったらすぐに手を出すのになぁ―…」


「お前と一緒にするなっ!」


こいつに話した俺がやっぱりバカだった……



「あのっ…輝くん」



「ん?」



突然俺の席に近づいてきた2人組の女



すかさず表の俺に戻る



もうこれはクセとしか言い様がないな……



「あ、あのさ…ちょっと聞きたいことがあるんだけど!?」



「うん?どうしたの?」



緊張してるような感じだな。


ってかクラスメイトなのに普通ここまで緊張するか?



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