王子様はご主人様!?


ど、どうするよ…俺っ!?


……と考えたとこで何も浮かばず、部屋に響くのはパチンパチンというホッチキスの音だけ。



何も話さないまま、今度の生徒会会議に使うプリントを、2人でホッチキスで留める作業




――パチン…



――パチン…パチン……




こ、こんなに沈黙がツラいのは初めてだっ!



や、やっぱり昨日のことが原因だよな…?



キスしたこと謝るべきなのか?


いやいや、でもあれは何でも命令を聞くっていうのでしたわけだし……




だからと言って、キスはやり過ぎか!?



でも考えるより先に体が動いちゃって……って俺は1人で何を悩んでんだよ!



俺らしくもねぇ!!




――バンッ!!



――ビクッ!



俺が叩いた机の音に驚いて肩を震わせた花梨



「あのさっ…「ねぇっ!!」



「へっ……?」



気合いを入れた一言が、花梨の言葉によって遮られた


「な、何…?」



「か、彼女いたんだねっ」



「は…?……あぁ―…あれね。それより昨日のことなんだけど……」



やっぱり謝ろう……



キスはさすがにやり過ぎだったし……



< 99 / 348 >

この作品をシェア

pagetop