プリクラ童話
授業はサボってプリクラノートの制作に私は夢中だった。
なぜならTHE女子高生をしたかったからだ。
皆に見せるものだから、皆が見たがる作品にしたくて――
日記のようにプリクラを貼ったページをある意味デコった。
暇つぶしは携帯電話を弄ることではなく、プリクラ手帳を交換して眺めることだった。
あんまり遊ばないんだとか、いっつも色んな子と撮ってるなとか、私服オシャレとか、
落書き変なのとか、彼氏カッコイイなとか、友達からプリクラあんま貰ってないんだとか、
たかがプリクラ手帳を眺める行為さえ、女子高生だった私たちは――シビアに観察をしていたのだろう。
外見しか見えないシール。
でも人間関係が見えるシール。
ちっぽけな世界。