叶わない願い


「翔太はね、傷を負ってる流羅と一緒にここに来たんだけど…」


「待って!アタシ気絶してたんだよ!?誰がここに…」


「翔太がおぶって来たんだよ」

え゛っ!!?


「質問は後でー。それでね、翔太の奴、ここにあんたをおいたあと、『ゴメンな』って小声で言ったんだよ。周りの人には聞こえなかったと思うけど、アタシにはバッチリ聞こえたよ〜」
りえはぺらぺらと早口で喋った。


「あと、その傷の手当も翔太がやったんだよー」


ちょっ、信じがたい事実ばっかりなんですけど!!
アタシのお腹は包帯が無造作にぐるぐる巻きになっていて、少し血が滲んでいた。




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