Sweet*Lover…
*第1章*
王子様
「どーしよー!!」
朝の授業前のにぎやかな教室。
そこに、あたしの大声が響きわたった。
「…まぁまぁ、落ち着きなよ」
と言ってあたしをなだめるのは、親友の寧々ちゃん。
「だってぇ…」
「あんたの名字を恨みなよ」
どうして「綾瀬」なんて名字なんだろう…。
本気で名字を恨んだ。
だって、この名字のせいで…、クラス1の冷徹な男子と週番をすることになったんだから…。
あたしの学校は、日直ではなく「週番」と言って、1週間日直の仕事をしなくてはいけない。
なのに、1週間もあんなにクールな人と仕事をするなんて…。