学園スパイラル~夢と希望と正義とバカと~
「そろそろ始業時間だ」

 匠は左腕の時計をちょいちょいと指で示す。

「げっ!? たこ焼き食えなかった!」

「おい!? ちょっ、まっ──!?」

 走り去る二人の背中に手を伸ばすが、まったく相手にされず正門に吸い込まれていく背中を見送った。

「おい……」

 ポツンと取り残された隼人は、頬をかすめる風に寂しさを感じつつその場から遠のいた。


 
 
< 10 / 90 >

この作品をシェア

pagetop