学園スパイラル~夢と希望と正義とバカと~
†††

 ──そうして一日の授業を終え、二人は夕闇迫るなか学園をあとにした。

 匠の家に向かうべく、学園の正門をくぐると、

「あ」

「ほう」

 小さく声を上げた健のあと、匠は目の前の人物に関心を示すように目を細める。

「てめぇら!」

 その男──隼人が仲間を三人ほど連れて待ちかまえていた。

「まだ何かご用でしょうか」

「まだどころか一つもご用を済ませてねえんだよ! 落とし前つけさせてもらうぜ」

「落とし前だって」

 健が他人事(ひとごと)のように発すると、隼人はギロリと睨み付けた。

 大人が四人もいるってのに、なんだってこいつらは、まったくビビらないんだ。
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