学園スパイラル~夢と希望と正義とバカと~
◆第一章/攻防戦
*一旦退却
「父は元自衛官ということから、現在は自警団を取り仕切っています」
「んなっ!?」
隼人は驚きで目を見開いた。
おおよそ、こいつから自衛隊の親父にたどり着ける気がしなかったし、連想なんてもってのほかだ。
どこぞの大富豪の息子とか言われた方が、いくらか理解出来るというものである。
それほどに、この周防 匠という少年は、のほほんとしていて掴みどころがまるで見あたらない。
高校生になっても中学のときのテンションが抜けない奴はいるが、こいつはむしろ何もかもが抜けきって、若者にあるまじき落ち着きようじゃないか。
そんな奴にくっついているせいなのか、健て奴もなんかやべえ気がする。同じようにへらへらしているがこの状態で普通は怖がるもんだ。
こいつの威光で自分も強くなった気でいるんじゃないだろうな。そうじゃないなら、馬鹿にしてもこれは馬鹿すぎる。