学園スパイラル~夢と希望と正義とバカと~
「たまには真面目に受けてあげれば?」

「面倒だ。第三者に公表したところで、私自身にはさしたる得はない」

「大学にも行かないんでしょ?」

「うん。大学に行く理由が私には無いからね」

「マッドサイエンティストとかになれば?」

 健がその言葉の意味をちゃんと理解して発したとは思えないが、匠はそんな所には関心を示さない。

 どちらかと言えば──

「それはそれで大変なんだよ。いかに捕まらないように続けていくのかをまず考えないと」

「そか~」

 健は納得したようだが、それを聞いていた周りの生徒たちは本気なのか冗談なのかを計りかねた。

 周防 匠は容姿も頭脳も申し分ないのに、敬遠されるのはそこにある。
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