学園スパイラル~夢と希望と正義とバカと~
†††

 ──そうして隼人は、さきほどの男から聞けたわずかな情報をもとに次の相手を探し、周防 匠が住んでいる町に住む仲間を見つけた。

「周防 匠だって!?」

 隼人が暴走族時代の別のチームにいた男は、素っ頓狂な声を上げたあとに沈黙した。

「……悪いことは言わねぇ」

 隼人の肩にポンと手を置き、苦い表情で見つめる。

「そいつには関わるな」

「一体、あいつに何があるっていうんだよ」

 隼人の問いかけはもっともだ。周防 匠という人物像がまったくもって掴めない。

「オヤジは元自衛官で、今はバルトグラスって居酒屋を経営してる。正直、あそこ一帯を仕切ってるのは警察でもヤクザでもねぇ。そいつだ」

「なんだって?」
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