学園スパイラル~夢と希望と正義とバカと~
「言ったろ。あいつは馬鹿なんだ。出世欲とか有名欲は無いが、自分が面白いと思ったことはとことんやりやがる」

「それのどこがバカなんだ」

「まだわかんねえのか」

 男が苛つき気味に舌打ちした。

 しかし隼人には男の言っている意味がさっぱり解らない。天才と言いつつ、実績は何一つない相手に、どうしてそこまで恐れるんだ。

「興味が俺たちとは違う方向に向いてんだよ。何をするのかまったく解んねえ。しかも、それをするだけの頭を持ってる」

 男は自分の頭を指差しながら説明した。

「なるほど」

 頭が良い分、悪巧みもすげえことになるのかと少し納得した。
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