学園スパイラル~夢と希望と正義とバカと~
†††

 ──午後二時過ぎ、匠と健は商店街に来ていた。

 昨今、シャッター街が増加しているというニュースが流れるなか、この商店街には定休日の理由以外で閉じている商店はなく、活気に溢れている。

 奥様たちは夕飯の食材を選び、子供がお菓子をねだる明るい賑わいを見せていた。

「イベント?」

 青年が眉を寄せた。二人が立っているのは鮮魚店の前だ。そこの長男である青年に何か話しを持ちかけている。

「面白そうでしょ」

「多くの人に参加していただきたい」

 健はいつもの快活な笑顔を見せ、匠はこれまたいつものように無表情に発した。

「確かに面白そうだな~」

 話を聞いた青年は興味深げに応えた。
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