学園スパイラル~夢と希望と正義とバカと~
「こんにちはー!」

 健は青果店にいるオヤジに失礼なほどの明るさを振りまく。

 そうして、鮮魚店にした説明と同じ説明を始めると、ハゲかけたオヤジは興味深げに聞き入った。

「このロッドは匠くんのお手製か?」

 賞品リストを見て目を輝かせる。

「はい」

 ここの店主は釣り好きだ。

 近頃はバス釣りに凝っていて、リストにあるルアーロッドは匠が作ったと聞き穴が空くかと思うほど見つめる。

「ルール厳守でお願いします」

「もちろんだとも」

 はきはきと答えて二人に苺のパックを差し出した。


 
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