学園スパイラル~夢と希望と正義とバカと~
◆第二章/実行の日は近い
*躊躇いはプレハブ屋根の彼方に
隼人たちは匠の事を尋ねて回るが、問いかける全ての人間が「奴には近づくな」と言うだけで、その理由までは語ろうとはしない。
ここまで来ると、むしろ気になって仕方がない。こうまで頑なに拒まれ、逃走されては余計に知りたくなるのが人というものだ。
「なんなんだよ。これじゃ、諦めたくても諦めらんねえ!」
三人は「やっぱり諦めたいんじゃん」と呆れて肩をすくめる。
さすがに、訊くやつ訊くやつ「止めておけ」と言われれば諦めたくもなる。だがしかし、それと同時に知りたい衝動もふつふつと湧き上がってくる。
それは他の三人も同じようなものだが、隼人ほど知りたいとは思わなかった。