学園スパイラル~夢と希望と正義とバカと~
「──っなんなんだよ」

 隼人は後ろを一瞥して青ざめた。

 ざっと数えても二十人はくだらない。体格はそれぞれだが、全員が猛スピードで追いかけてきている。

 転げそうになりながらも走っていると、前方に十字路が見えて四人はそれぞれ別の道を選択した。

 隼人とチノパンは右、腰パンと迷彩ジャケットは左。そして、残りの一人は正面の道にと別れた。これで、誰が狙われているのかハッキリする。

 ──かと思いきや、後ろの集団も分散した。

「だ、誰が目的なんだ!?」

 予想を上回る結果に隼人は頭が混乱した。

 追いかけてくる人間にも統一性が無い。十代の少年から、ヨボヨボの七十代と思われる老人までと様々だ。
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