学園スパイラル~夢と希望と正義とバカと~
「今まで色々とやって来たからなあ」

 健のときには失敗したが、数え切れないほどのカツアゲをしてきている。借金の取り立ても時折だが酷いものがあった。

 恐喝や知らない奴に喧嘩をふっかけたりと、誰に憎まれているのやら。

 こうして振り返ってみると、つくづくロクなことをしてこなかったんだなと己の不甲斐なさにうなだれた。

「でも、これは意味がわかんねえ」

 なんでこんな見覚えのない数十人に追いかけ回されなきゃならない。必死で逃げてはいたが顔は確認していた。誰一人として見覚えのある人間はいなかった。

「俺を恨んでいる奴が何か仕掛けたのか?」

 あいつか? いや、あいつかも?
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