学園スパイラル~夢と希望と正義とバカと~
 
 隼人は腕を組んで唸るが皆目、見当がつかない。そもそも、これだけの騒動を起こせる奴なんているのか。

 そして何より、隼人にそこまでしてやろうと考える者はいない。

「ん?」

 気がつくと、十歳くらいの少年が隼人をじっと見つめていた。あどけない瞳を見つめ返し眉を寄せる。

 もちろん、隼人は子どもが嫌いだ。

「シッシッ。あっちいけ」

 子犬を追い払うように手を振った。

 しかし──

「ここにいたよー!」

「ぬおわ!?」

 やべえ! こいつもそうなのか! こんなガキもそうなのか!?
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