学園スパイラル~夢と希望と正義とバカと~
 そんなアスリートのような思考がチノパンをがむしゃらに走らせる。

 しかし、彼はアスリートではない。気持ちだけで走れるなら、みんなアスリートだ。

 先ほどまで走り続けていたのだからすぐに息が上がり、油断すると転けそうになる。

「俺……。もう、捕まっちゃおうかな」

 いっそ捕まって楽になりたい。

 こんな訳のわからない状況で、ただただ恐怖だけが増幅されてストレスはマックスだ。

「いたぞ!」

「ひぎゃ!?」

 なんなんだよこいつら! 全然、知らない奴らだ。俺が何をしたっていうだんよ。捕まったら何をされるかわからない!?

 逃走は続く──




 
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