学園スパイラル~夢と希望と正義とバカと~
「やだなぁ~」

 健の態度からして、やはり誤解である事は明白だ。とは言え、受け手である男がそう感じたのなら、そこには何かしらの行動があったのだろう。

「本当は?」

「この人がカツアゲしてきたの」

「てめぇ!」

 今にも殴りかかりそうな勢いだが、それが図星であると示している。

「何人いたんだい」

「四人くらい」

 なるほど、それだけの数を相手にした健を見ているなら、簡単に手は出せないだろうねと躊躇っている男を一瞥した。

「本来、複数対一人では勝てないのだけど」

「やり方次第だよ」

 匠は健の強さは知っているし、その言葉もよく理解している。

「で、名乗ったのかい?」

「聞かれたから」
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