学園スパイラル~夢と希望と正義とバカと~
「では、次からは知らない人に名前を尋ねられても答えないようにね」

「解った」

「判断がつきかねるときは、私に連絡するように」

「りょうか~い」

「俺を無視すんな!」

 こいつ子どもか!? いや、子どもだけども。男は地団駄を踏んで抗議するように怒鳴った。

「手加減はしたんだろうね」

「しなきゃ捕まっちゃうよ」

「そうか」

 相手を見て手加減はするようにと父からも言われているだけに、男の様子からしてちゃんと手加減はしたのだろう。

「ところで、何故ここに?」

「お腹が空いたから、そこの駄菓子屋でたこ焼き食べようかなって」

 なるほどと匠は納得した。

 健は学園の寮に住んでいる、家から通学している匠と学園の外で朝に出会う事はまず無いのだ。
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