学園スパイラル~夢と希望と正義とバカと~
「──俺は、こんなガキに説教されてんのか」

「説教をしたつもりはありませんが」

 小首をかしげる匠に、こいつカッコイイかもしれんと隼人は悔しくなった。俺だって、そんな風になりたかったんだ。それなのに、どこで踏み外したんだろう。

 俺はずっと、いつの間にか薄暗い所で満足していた。そこは輝いた場所なんだと、錯覚していた。そう思い込もうとしていたんだ。

 ちょっと辛いからって、楽に認めてくれる方になびいた自分が情けない。それを高校生に気付かされたなんて、さらに恥ずかしいったらない。

「折角の環境なのですから、楽しむ方がよろしいでしょう」

「そうだな」
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