学園スパイラル~夢と希望と正義とバカと~
「あ、忘れていた」

 匠はふと立ち止まると振り返り、日本国旗の出ているモデルガンの銃口を隼人に向けた。引鉄を絞ると、それは勢いよくドン! と隼人の足下に突き刺さる。

「それ、捨てておいて下さい」

 しれっと発して再び遠ざかっていく。

 四人はしばらく沈黙していたが、チノパンが刺さった国旗をマジマジと眺めた。

「なんて威力だ」

 おそらく、七センチほどの長さの針だろう。それは踏み固められた地面に深々と突き刺さっており、簡単には抜けそうもなかった。

「マジかよ。おい」

 隼人は恐怖に乾いた笑みをこぼした。


 
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