学園スパイラル~夢と希望と正義とバカと~
†††

 ──次の朝

 清々しい空気に小鳥さえずりが通学路に響き、今日も良い一日だと匠は口元を緩める。

「おはようございます!」

「どうしましたか」

 匠はセンスの悪いスーツに身を包んだ隼人に切れ長の目を丸くした。どうやら新しく買ったらしいスーツは、彼の心機一転という気持ちなのだろう。

「今日からアニキと呼ばせてください!」

「どう呼んでも構いませんが、私は年下ですよ」

 藪から棒に何を言い出すのかと眉を寄せる。
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