学園スパイラル~夢と希望と正義とバカと~
「健」

「なに?」

「マッド・サイエンティスト。いいかもね」

「じゃあ俺、助手になる」

 嬉しそうに手を上げた。通りすがりにそれを耳にした生徒の何人かは、複雑な表情を浮かべて聞こえない振りをする。

 匠ならそれも可能なのではないかという不安と少しの恐怖が、彼を知る生徒たちの心には湧き上がっていた。

「良い天気だね」

「いい天気だね~」

 うららかな日差し。二人は新たな仲間──いや、子分を得て唐突に沸き立つ好奇心に、これからも素直に従っていくのだろう。
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