学園スパイラル~夢と希望と正義とバカと~
 
 彼らと対峙した者は、敵に回すとこれ以上ないくらい怖い人物と認識し、二人の下にいる事で自身の身を守ろうとする、本能とでも呼ぶべき判断をくだす。

 もっとも、隼人のように真剣に子分になろうと思う者も少なくはない。

「因みに」

「ん?」

「たこ焼きは朝はいくらなんだい」

「ひと船六個で百円」

「それは安いね」

「でもさ」

 健は鞄からお菓子を取り出して続ける。

「その店員て、インド人なんだよね」

「ほう?」

「しかもさ、まだ日本語があんまり喋れないらしくて~」

 健の言葉に匠は隼人の末路を見た気がした。
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