学園スパイラル~夢と希望と正義とバカと~
†††

「だから! たこ焼きくれって言ってんだよ!」

 駄菓子屋に到着した隼人は必死に説明するが、彫りの深い顔立ちの店員は困ったように首をかしげる。

「解ってくれよ~」

 隼人はガックリと肩を落とした。

「前はスリランカの人だったんだけど、日本語を覚えたらどっかの企業に就職しちゃった」

「なるほど。日本語学校みたいな所なんだね」

「でもさ、あそこのおばさん関西人で、関西弁喋ってるんだよね~」

「ほう」

 関西弁普及活動でもしているのだろうか?

 ついでにボケとツッコミも学ばせてもらえそうだ。ある意味、コミュニケーションが取れていいかもしれない。

「ああ。しかし店主は日本人なのだったら、注文を聞いてくれるだろう」

「それがね──」
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