My Boy~私だけのアイドル~
キッカケ
私の幼なじみ、
…そして私の好きな人。
高木新太(タカギ アラタ)
とても天然で素直な男の子。
それは昔から変わらない。
出会いは私達が四歳の頃。
引っ越した先の隣の家がたまたま新太だった。
新太の第一印象。
“変な人”
幼いながらもそれはすぐに分かった。
新太が私に最初に言った言葉。
「よろしくですます」
今も、あの事は忘れられない。
それを境に私と新太はお互いの部屋を行き来した。
偶然にも私と新太の部屋は隣でベランダからお互いの部屋に行き来できた。
時には親に内緒で新太の部屋で怖いDVDを見たり、時には私の家で親に内緒でWiiをしたり。
一緒に時を過ごしていく中で色んな新太を知った私は新太を好きになった。
日を追うごとに大きくなるその気持ち。
いつの間にか、新太は私の一番大切な人、そんな存在になった。
気持ちは伝えられない…。
今日は新太と二人でカラオケ。
朝早く起きて服選びに時間をかける。
服を選びを終えると身嗜みに時間をかけた。
時間になると新太の家の前に行き、新太の名前を叫ぶ。
「新太~」
新太の部屋に向かって言えば、すぐさま新太の部屋の窓が開き、
「今行くよ」
と新太が顔を出す。
新太が窓を閉めようと顔を引っ込めるとガンッ、と私にも聞こえる鈍い音がした。
…新太が頭を窓に思い切りぶつけたのだ。
「痛い…。今、行く」
頭を抑えながら笑顔で窓を閉めるのが新太らしい。
すると、すぐさま新太の家のドアが歩きまだ頭を痛そうに抑えた新太が出てきた。
「…大丈夫?」
と無意識に言えば、「大丈夫、大丈夫、大丈夫っ」
とブイサインをする新太。
無邪気な新太が可愛い。
それにしても…、
「新太サン、いつもよりご機嫌ですね」
そう、新太はいつもよりご機嫌。
さっきから新太の笑顔が眩しい。
「だって、カラオケだもん」
とはしゃいで言う新太はまた可愛い。
そう。新太はカラオケが大好き。
だけあって上手い。絶対、点数は90点以上だし100点を取るのも珍しくない。
でも私は歌わないで見るだけ。
新太の歌声を少しでも聞いていたいから。