-片思い-
さなねぇに連れられて病室を出る。
「・・ッ・・なに・・??」
「いい?かな・・よく聞いて?」
さなねぇのこんな真剣な顔…始めてみた。
さなねぇといえば…いつも笑顔で
 意味が分からないことばかり話しているような…
「…なに・?」
「お父さんはもう…いないの。」
「うん。」
な-んだそんな話か・・と思っていた。
「これからはあたしとかなの二人でママを支えなきゃいけないの。分かる?」
「…うん」
分かる・ 分かる…
 このときは分かった振りをしていたんだ。
お母さんを…お母さんを…支えなきゃ
 と思った瞬間
涙があふれた。
「…ッ・・・うぅ…」
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