winter game
冬の訪れ
また冬がやって来た。
あたしが生まれて、15回目の冬。
あたしは教室の窓の外を見ながらそう思った。
「茜!! 栗田君が呼んでるよ!!」
あたしは親友の美紀の声で顔を戻した。
「……まじで?!」
「まじでまじで!! やっぱ栗田君、
茜のことが好きなんじゃない?」
あたしは教室の後ろの扉で待っている
栗田君の姿を見た。
あたしの大好きな人。
あたしの片思いの相手。
「西脇さん!! ちょっといい?」
あたしに気付いて声をかけてきた栗田君。
「今行く!!」
自然とあたしの声は明るくなる。
栗田君には何度か呼び出される。
そのたびに告白されるのではないかと
期待するが、毎回、特に用は無いみたいで
他愛のない話をしている。
栗田君とは今は違うクラス。
…って、もうすぐしたら卒業だから
結局、一度も同じクラスになれていない。
でも、どうか栗田君と
同じ高校でありますように!!
「迷惑じゃなかった?
いきなり呼び出して…」
「ううん!? 全然大丈夫だよ?」
「なら良かった。こないだから、
一方的に俺が呼びだして話してる
かんじだったし…」
「そんなことないよ!!
栗田君と話せるの楽しいし…」
「マジで?
じゃあ、また呼びだしてもいい?」
「うん!!」
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