winter game
これが、あたしと凪良の出会いだった。
あたしは訳もわからず、目の前にいる、
凪良と言う男をまじまじと見つめる。
「話をすると、すっごい長く
なっちゃうんだけどね~…」
凪良はあたしを立たせて、
すぐ横にあったベンチに腰かけさせた。
そして、自分もあたしの横に腰かけた。
「僕は、EZ社の会員№0621の
堺凪良です。
僕の務めるEZ社では、過去の人間の
運命を変える事業をしています。
そこで、西脇茜さんが選ばれました。」
ペラペラと説明する凪良。
「今、茜が見たのは2016年。
今から約5年後の出来事。
まぁ、僕から言えば大昔!!」
「…じゃぁ、あれは本当に
起こる出来事なの??」
「そういう事になるね…」
「あたしも栗田くんも、死んじゃうの!!?」
「このままだとね。
でも、それを食い止めに来たのが僕。
二人があんな悲惨な死に方を
しないために、二人の運命を
変えに来た。」
「…どうやって変えるの!!!!?」
「選択肢は二つ。
①二人が結婚しないで、栗田圭と
十野芽緒が結婚する。
②二人が結婚して、十野芽緒が
栗田圭を諦める。」
「…そりゃぁ、②が嬉しいよ??
でも…………」
でも…いいのかな?
だって、芽緒っていう子が可哀そうだし。
「…でもとか遠慮はなし!!
十野芽緒がかわいそうだってぇ?
じゃぁ、君が死んだ方がもっと
可哀そうだろう??」
「そ、そうだけど…
いいの??
こんな簡単に、運命変えちゃって」
「いいの!!!!!!!!
それが、僕の使命だから」
凪良はそう言って、
ふところから一枚の紙を取り出した。
「これ、規約書。」
はい、と言って手渡された。
「…西脇茜の運命変更規約??」
なな…なんじゃこれ!!!!?