winter game
「外出ない??」
俺はニッコリと笑って、
茜の腕を引いて外に出る。
猫被り。
可愛い男の子を演じてる、つもり。
本当の俺は、何も無いほど
冷たいし、人間らしくない。
「ねぇ、何でうちの学校来たの!?」
茜は俺の背中に訴える。
「何でって…君の運命変えるため!!」
俺は振り向きもせず、
スタスタと廊下を歩く。
「ちょっと…どこまで行くつもり?」
「う~ん…屋上!!!!」
…というわけでやってきた屋上。
初めて屋上という空間に来た。
俺のいる2210年で言うと…何だろ?
「で…何でわざわざこの時期に、
うちの学校に転校してきたの??」
「あ~、もう…だからぁ!!!!!!!!!!
君とね? 栗田圭を早くくっつける
ためなの!!!!?」
何回も言わせんなよ…
「でも…あたしと栗田くんって
同じ高校行けるんでしょ?
だったら、別に今じゃなくても」
「君って馬鹿??????
もし、そう上手く同じ高校で
付き合えたら僕だって、今君の
目の前に現れてないよ!?」
「…どういうこと??」
「…十野芽緒が、高1で現われる」
「……まじで?」
「まじまじ!!!!!
だから、今の時点で君と栗田圭を
くっつけておかないと…
十野芽緒に取られちゃうよ~」
うん、これは事実。
栗田圭と十野芽緒は、高1の学園祭で
付き合い始める…
それまでに、茜と栗田圭が付き合わないと。