winter game
未来への帰り道


winter game が始まってから、
もう今日で一週間。

俺が2011年に来て、一週間。


相変わらず、茜は俺に不信感を抱いている。

…せっかく時空を超えて
助けに来てやったのに。

本当に恩知らずな女だ。

「あの…」

俺は一人屋上の貯水タンクに座っていた。

すると、誰かの声が下から聞こえた。

「…はい??」

あ……。

「堺…くんだよね?」

それは、栗田圭だった。

「…そうだけど?」

まるで初めて会ったかのように振舞う。

「君が、時和多の推薦もらった堺だよね?」

「…そうだけど??」

「俺、栗田圭。3年2組。」

…やっぱり栗田圭は生意気だ。

「堺凪良、3年4組。よろしく!!」

俺は手を差し伸べる。

「よろしく」

栗田も手を出してきた。


ぎゅっ―――――――――


さぁ、栗田圭…見てくれ。

君と茜の未来を…



 





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