winter game
ゆっくりを目を開ける。
「……栗田くん!!!!?」
目の前には心配そうに俺を
見下げる堺がいた。
「栗田くん、大丈夫??」
「あ、あぁ…」
「ビックリしたよ、急に倒れたから」
「俺…倒れてたのか??」
「そうだよ!! もしかして貧血??」
「…貧血とかなったことないから」
「本当? とにかくビックリしたよ…」
堺がほっとした顔をした。
「…俺、変な夢見ちゃって」
「へ??」
「あ、いや…何でもないよ!!」
「とりあえず、保健室行っとく方がいいよ?」
堺が誰もいない保健室で俺のおでこに
冷えピタをはってくれている。
何とも言えない絵になっているだろう…
「熱測ったら、ちょっと微熱あったよ!!」
「本当に?」
「うん、授業始まるまで寝てなよ」
「そうだな…」
「俺、しばらくここにいるよ!!」
にっこり微笑む堺。
なのに、何故か警戒心を覚える。
…本当はこいつ、さっきの夢に
関係してるんじゃ……
「あのさ…」
「ん?」
「さっき、俺が倒れた時…
変な夢見てしまって……」
「…どんな夢?」
「えっと……俺と芽緒っていう子が
付き合ってて、西脇が遠くから
見てて……」
「えっ? よくわかんないんだけど…」
「ご、ごめん!!
夢だし、よくわかんなかったや!!」