winter game
『大丈夫!!
俺が支えるから下りて来て!!!!』
彼はそう言って手を広げる。
『え…キャッチしてくれるの?』
『そうだけど?』
『あ、あたし重いよ??』
『大丈夫、大丈夫!!
ほら、下りて来て!!』
あたしは途中まである本当に備え付けの
はしごをゆっくり下りる。
でも、3段程度ではしごは終わりのはず。
が……
『きゃっ!!!!?』
なんと、まさかの2段で終わりだった。
『…大丈夫?』
目を開けると彼の顔が目の前にあった。
なんと、彼はしっかりとあたしをキャッチ
してくれていた。
『だ…大丈夫です』
必然的にお姫様抱っこの状態。
日が当たってて少ししか見えなかった
彼の顔は、とても整ってて…
一目惚れってやつ?
あたしは彼と見つめ合ううちに
みるみる顔が赤くっなっていった。
それにつられてか、彼も顔を赤く染める。
『あの…助けてくれてありがとうございます』
『いや……こちらこそ』
『……そろそろ下ろしてくれない?
重いでしょ?』
『あっ!!!!? ごめん!!!!』
そう言って、彼はあたしを下ろす。
『どうして…あたしが
下りられなくなってるって
わかったの?』
『俺、見ての通りテニス部なんだ。
下校時刻近いのに、体育館の窓の
ところに人がいたから…』
『あ…そうなんだ』