winter game


『文化祭の準備? 大変だね』

『うん、まさかこんなところに
 貼りに行けって言われるなんて
 思ってなくって…』

『とにかく、助かってよかった!!
 俺、栗田圭。1年4組。』

『あ、あたしは西脇茜!! 
 1年6組です』

『西脇さん、また明日ね!!』

『はい!! 本当に今日はありがとう!!』




あたしは先生の話なんて聞かずに
栗田君との出合った時の出来事を
思い出していた。

今でも鮮明に覚えている。

あの時の無邪気な栗田君からすると
今の栗田君は、ちょっと大人っぽく
なったような気がする。

でも、元々長身できりっとしていたから
1年のころから皆よりは大人っぽかった。

栗田君は、あたしのこと
どう思っているんだろう?

あたしと初めて会った時から、
どういう気持ちで接してくれたの?

あたしはね、初めて栗田君の
綺麗な顔を見た時、初めて
「好き」っていう気持ちが芽生えたんだよ。

一目惚れだったから、いつかは
冷めるかなって思ってたんだけど、
時間が経つと共に「好き」の気持ちも
どんどん大きくなって行って…

好きなのに、愛してるのに。

このまま終わっちゃいそうで心配なんだ。


「来週の火曜日締め切りだからな」


先生のその言葉で、
今日の学校は終了した。








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