オレンジラヴストラック

恋した君は



次の日から俺は登下校の時と放課後に浜辺を見渡し耳を澄ませ、マーメイドを探した。


崖の下も何度も覗いた。


だけど初めて見た以来、マーメイドが俺の目の前に現れることはなかった。


心を優しく撫でる様な歌声さえも聞こえなかった。


今日もダメ元で浜辺を歩く。


いつしかマーメイド探しが俺の日課になっていた。


いつもの夕日が海に溶けてゆく。


そして聞こえる優しい歌声。


< 15 / 119 >

この作品をシェア

pagetop