オレンジラヴストラック


くびれたウエスト。


ウロコ調の水着。


片耳にしか着けていない真珠のイヤリング。


あの日、一瞬しか見る事の出来なかったマーメイドの姿。


やっと会えたのにマーメイドは逃げ出そうと、崖の下の岩場を離れた。


次こそ逃がさない(前回、逃がした訳ではないが…)。


俺は意のままマーメイドの細い腕を掴んだ。


「離して下さいっ」


やわらかな声。


思わず手を離してしまいそうだった。


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