オレンジラヴストラック
シャープな顎から落ちたその涙は海面に小さな波を作り、海水に溶け込んだ。
「そんなことない!!」
もちろん、涙を見て同情した訳ではない。
「ソフィアはソフィアだよ。エメラルドのウロコ、綺麗だと思う。気持ち悪いなんて思ってないから。・・・俺を信じて」
ソフィアの泣いている姿はすごく神秘的で美しかった。
少し躊躇したあとで、そっと手を伸ばしソフィアの頭を撫でる。
「信じる・・・拓也を信じる」
胸を隠していた両手はいつか顔を覆っていた。